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元さんのとっておき
■第101回『深川資料館通り商店街』
08年02月28日
清澄白河にある深川資料館通り商店街をご存知でしょうか。
清洲橋通りの少し南を平行に走っている道路があるのですが、その道沿いにあるのが深川資料館通り商店街です。
清洲橋通りはちょっとした大通りなんで裏通りにあるようなイメージもあるかもしれません。
でもね、実際に通ってみると結構、おもむきがあるところなんですよ。
この商店街って清澄通りから三つ目通りの少し先まで続いているんですが、清澄通りから入っていくと、まずしゃれた櫓なんかが道の両側にあってね、その先をケヤキ並木が生い茂ったいい感じの道が続いてるんですよ。
その途中に名前の由来になっている江戸資料館という博物館のような施設もあったりして、観光客なんかもけっこう訪れるところなんです。

この商店街が、実はけっこうがんばっているんですよ。
この商店街を有名にしているのはなんと言っても、周辺の人々に手作りで作ってもらったかかしを歩道沿いに並べて展示する、かかしコンクールというイベントですね。(第72回『かかしコンクール』参照)
これは毎年9月に行われて、もう10年以上続いているんですが、毎回なんかのメディアにとりあげられてまして、よくテレビやら新聞などが取材にきてますね。
新潟県でアートトリエンナーレというアートイベントがあるんですが、そこにも以前、参加したことがあるんです。かかしが作品としてね。
これって全国規模のイベントだし、結構、参加するのに倍率も高いらしいんですよ。
まあそれだけ評価されてるってことなんでしょうね。でもここまで発展させるのは大変だったそうですよ。

また、この商店街内に深川いっぷくという交流施設があります。
ここは空き店舗対策として江東区の後押しを得てできた店舗なんですね。買い物客の休憩所としての一面を持つ他に、ギャラリーとして使われたり、音楽ライブや店頭でのワークショップ、果ては落語なんて催しまで開催しています。
なんか一生懸命いろんなことを企画してますよ。
東京商店街グランプリという、文字通り都内の活気ある商店街を讃えるコンテストが毎年行われています。商店街の事業であるこの店舗は、その努力を認められ、昨年、ここで優勝しています。
なんか、本当にがんばっている商店街ってイメージが昔からあるんですよね。

前述した江戸資料館は、その昔、江東区役所が建っていた場所です。
区役所ってのは職員が1000人以上働いているんですよ。昼になれば外で昼食をとる人もたくさんいるでしょう。少なからず、この商店街は区役所のおかげで潤っていた部分はあったでしょうね。
しかし区役所は移転してしまいます。
現在、こう言ってはなんですが、商店街は昔より閑散としています。
問題の全てが区役所の移転にあったわけではないでしょう。時代の流れなんかもあるんでしょう。
もちろん、区役所が悪いわけでもなんでもありません。しょうがないことなんです。

でも、その状況を跳ね返すかのごとく、健気にがんばっている商店街の人たちの姿ってのはちょっとした感動すら覚えますね。
実りの時期っていうんでしょうかね。そういう努力って、ある時、報われるかのように全てがうまい方向に変わっていく時期ってありませんか。
例えば、いっぷくのグランプリもそういうことかもしれません。
他にはこんな一面もあります。
地域の団体が主催し江東区がバックアップして、下町ぶらりマップという駅周辺の観光マップが作られています。亀戸駅や門前仲町駅と思いきや、一番、売れ行きのいいのは清澄白河駅のマップだそうです。
周辺には清澄庭園、江戸資料館、現代美術館なんて観光施設も結構あります。商店街周辺では観光客も増えているようですね。
また4月からは地域のFMラジオ局であるレインボータウンFMで、番組をもつ話もきてるそうです。一商店街がひとつの番組を持つというのも珍しいことじゃないでしょうか。(レインボータウンFMについては、第74回『レインボータウンFM』参照)

浅草に大黒屋という有名な天麩羅屋さんがあります。何代も続く老舗です。
代々、自分たちの住んでる街ですから、やっぱり浅草という街にはいい街になってもらいたいでしょうね。現在のご主人は、商店街や地域の集まりでもいろいろと役員をやられていたようです。
そのご主人が、以前、お会いした時にこんなことを言っていました。
このあたりじゃ深川資料館通り商店街が活気もあるし、風情もあっておもしろい商店街だねと。
この周辺で活気があるといえば、門前仲町にある深川仲町通り商店街とか人形町商店街あたりを私なんかは想像しちゃいます。風情があるといえば、通称、ご利益通りと呼ばれる深川不動尊商店会がそんな風に見えますね。
でも、大黒家さんは商店街や地域で活動されて、おそらくいろいろな商店街も見てこられているでしょう。
そんな方が見ると、私には見えないものが見えているのかもしれません。
表面的にはわからなくても、この商店街で長年積み上げてきた何かが、次のステップに移行しようとしているようにも思えます。
まだまだいろんな問題もあるでしょうが、私には、深川資料館通り商店街には実りの時期が来ているような気がします。

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