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元さんのとっておき
■第72回 『かかしコンクール』
03年09月28日
毎年、9月の始め頃、かかしコンクールというイベントを催してる商店街があります。
まあ、今年はもう終わっちゃいましたね。来年もやるのでしょうから興味のある方は来年行ってみて下さい。
場所は深川資料館通り商店街。清澄白河駅近くの、霊巌寺や江戸資料館が面している通りにある商店街です。ネーミング、そのまんまですね。
清澄通りから入って行くと両側にけやきの木がトンネルのように生い茂るエリアがあって、ちょっと森林浴気分の味わえるような、雰囲気のある商店街です。
この商店街は清澄通りのところから始まって三つ目通りの先まで東西に続く長い商店街なんですが、その通り沿いに100体以上のかかしが並びます。散歩がてら歩いてみてください。わりと楽しめますよ。

これって一種の町起しなんでしょうけど、面白い企画だと思います。
かかしの製作者を一般から募って、期間中、商店街に並べ道行く人に見てもらう。最終日に優秀作品を決めて、授賞式を行う。そんなイベントです。
商店街のイベントって、何かの真似だったり、お金かけて誰かを呼んで来たりってのが多いみたいなんですが、オリジナルでしかも手作りってのがいいですね。
予算もあんまりかかんないですしね。
町起しという意味では、多分このイベントは何年も続けていくんでしょうね。まあ継続していかなければ意味ないんですけど。
続ける。知名度が上る。ステータスが出来る。ここまでいけば物真似でないものは強いですね。企画としてはどんどん広がりをみせるでしょうね。
ただそこまで人々に浸透するまでが大変でしょうけどね。

このイベントって、参加者(製作者)はほとんどが商店街の人間か地域の区民です。
まあ当然素人ですからなかにはガラクタみたいな作品もあります。芸術的水準は必ずしも高いものばかりとは言えません。
でも、商店街って地域住民とのコミュニケーションで成り立ってる部分がありますからね。
そういう意味では地域住民と商店街が一つになって何かを作るっていうこの企画は十分成功といえるでしょう。
また、最近では近隣の小学生や幼稚園の子供もクラス単位で参加したり、区役所の職員までもが参加してます。果てはよその商店街で参加してる人もいるそうですよ。
なんか、この企画って商店街という枠を越えてどんどん広がる可能性を秘めてるような気がしませんか。

このイベント、コンクールですから最終的に金賞だとか銀賞だとか賞を決めたりするんですが、伸びてるイベントはやっぱり違いますね。授賞式も結構盛大です。
ちゃんと大きなホールを借りて、区長なんかも呼ばれたりします。区長まで来るってのはちょっとびっくりしました。
余談ですが、今年度はあづま屋という文具店さんに頼まれまして、下町探偵団としても一体作ってみました。おかげさまで、うちもアイディア賞なるものを頂きました。

でも、この企画も今年で6回目だそうですが、最初は大変だったそうですよ。
初めは参加者なんてほとんどいませんからねえ。前述のあづま屋が実は発起人なのですが、何人かの仲間とだけで、毎年何体も作ってたそうです。
多分最初の頃って、あいつら何やってんだみたいに白い目で見られてた時期もあったかもしれませんよねえ。
でもこういう人って商店街には大事なんですよ。
以前、錦糸町の商店街の幹部の方にお会いした時、言われた事があります。商店街の活性に必要なのは、若者、馬鹿者、よそ者なんだって。
馬鹿者って言い方も失礼ですが、この企画って損得抜きで突っ走る人達がいたからできた企画だと思うんですよね。
田んぼもないのに、なんでかかしなんだよなんて考えちゃいけないんでしょうね。大事なのは純粋に面白いじゃんって思う気持ちと、行動力ですよね。
でも若者、馬鹿者、よそ者の必要性って商店街だけに限らない気もしませんか。

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