下町の顔 | FACE |
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関西の競技で5センチの紐で輪を作ってその中で何回廻せるかという競技があったんですが、優勝しました。何でも廻してみたくなりますね。ばい貝が飲み屋さんで出たりすると、皆で廻しちゃう。石なんかも。道路にボルトが落ちていると廻せるかなとまず思う。珍しいものではビー玉を廻したことも。きれいに廻りますよ。 ★最近ベーゴマ協会で作られたビデオで先生とか講師とかで出演して、皆さんから慕われてますね。 慕われているというか、なんか遊ばれている話のほうが強いですね。楽しくやりたいので先生という気持ちは自分には無いです。たまたまその話が来たんで、私が出てどうなるのかなと思ったけれど、自分がやらなければ誰かがやらなければいけないですからね。それなら自分がやろうと。けっこう割り切ってやってます。変ったベーゴマつくるのも意識的に。こんな変な人がいる、ということで(笑)。 ★今一人で遊んでしまう子どもも多いですね。そのあたりはどう思われますか? 学校に行かなくなってしまった子どもがベーゴマを廻しにきてそれがきっかけで学校に行くようになった子は何人もいます。ある学校ではベーゴマ大会をして、優勝をすると校長室に賞状を取りに行くんです。校長先生が賞状を渡してくれる。勉強ができなくても目立つ。遊びだとしても得意なことがあるのはいいですね。 ★こういうことは子供たちに伝えていきたいと思いますか? 学校に出前。学童に出前。ライフワークですね。楽しいことがあるから他のことも頑張れる。人生に通じますから。 3.遊び=仕事、その理想の形 ★協会の仕事や、地方に廻しに行ったり……中島さんの本業に差し障りは無いんですか? 差しさわりの無いようにしているんですが、広告デザインの仕事をしているので、ベーゴマの説明書を作ったり、のぼりを作ったりチラシポスターを作ったり仕事になる部分がだんだん増えてきてますね。仕事中にベーゴマの話をできるのは嬉しいです(笑)。ベーゴマ遊びの本を出して、学童にも置いてあります。10月には台湾に行きます。向うから来てほしいと。広めに行きます。持ち出しですが。モンゴルに行く予定もあります。 ★それでも昼間は仕事をして、夜中にベーゴマの加工をして辛いとか飽きるとかないですか? 辛くないですね。ぜんぜん。毎夜1時2時まで加工していますが充実していますよ。大会近くになると朝の5時まで加工することもあります。先週もベーゴマの合宿に箱根へ。参加は25名。大会に行って帰ってきて夕飯食べるでしょ、そのあと夜中の1時までベーゴマ。それで朝飯前にベーゴマをして、朝飯食べて大会に行って大会でベーゴマ(笑)。大会でなく私の田舎の群馬に行ってもそうですね。昼から夜の10時までベーゴマやるんです。炎天下、日陰の無いアスファルトの上でベーゴマ(笑)。飽きないですね。勝負の展開に同じことがないですから。私はベーゴマのために毎日腕立てと腹筋を50回続けています。加工は腰に来る。余りやりすぎて首が動かなくなったこともあるんです。「電気かけてほぐさないとマッサージもできない。何してたの」って言われました。「ちょっと力仕事を」と答えておきましたけど(笑)。
19歳の息子がいますが、一つのことをずっとやっているのは認めてくれているようですよ。かみさんは好きなものは横も見ずにやるという自分の性格を知ってると思うし、結婚してもする前からなんら変ることなく、そういうものだと思ってもらってるから。仕事を一所懸命片付けて、ベーゴマなら徹夜もいとわず。家族みんな好きなことを持っているからそれぞれの好きな所で頑張っているという気持ちで、家族の一致団結はできていると思いますね。 ★幸せな人生ですね。じゃ当然お墓はベーゴマの形ですね そう墓石に磨きをかけて(笑)、皆で一緒に入ってベーゴマやろうと。 ★なんでベーゴマにそんなに心が突き動かされるのか、自分分析を 好きなんだなぁってしかないですね。今後の夢は分解できるタイプのものをつくること。廻しているうちに分解していったらどうしょうかと。 ★最後に座右の銘を なせばなる、『初志貫徹』ですね。できると思えばできる。100人できなくても私が101人目にやってやろう。できないというのは簡単だけどやって見なければわからない。今一番自分がやろうと思っているのは、NHKの放映用のために製造元が型を作って仕上げた大きなものがあるんです。それを一個戴いた。5キロのベーゴマです。私はそれを加工しようと。何ヶ月かかければできると思います。やっていればできるんですからできないわけはない。 ※2002年9月収録 |
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