下町の顔 | FACE |
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★本業のライターとは違う部分って何でしょう。 ああ、普段の仕事は食べるためですからね。嘘を書くわけではないですけど、よく書いてやろうとすることはありますね。でも「すなしま」は徹底的に好きにならないとネタとして使えませんし、本当に自分でいいと思った状態で出してます。 そういう意味では本音ですよね。 ★うちも地域情報という意味では同じようなことをしていますし、近年FMも江東区には出来ました。同じ地域を取り上げているインターネットや、他のメディアに対して何か思うことはありますか? 一緒にいろんなことをやりたいですね。なんていうんでしょうかね、別に競争はしてないですしね。こっちから紹介できるものもあると思いますし、むこうから紹介いただきたいことものもあるでしょうし。 ★今後の展望とかってあります? そうですね。とりあえずは続けてはいきたいですね。 続けられたら、ちょっとづつ人のつながりをつくって、なんかおもしろいイベントかなにかやりたいですね。別にうちが主催としてやるんじゃなくてもいいんです。なにか地域活性や街づくりにかかわっていきたいですね。 やっぱり、もっと地元がおもしろくなってほしいじゃないですか。
まだまだですね。このお店行ってみましたとか、そういう反響はもらうんですけどね。まだ、その人たち同士くっつけてどうのっていうのはこれからって感じですね。 ★でも砂町って、結構ちょこちょこっとおもしろいのやってますよね。七夕もあるし、団地が多いせいか町会のイベントも大きいようですね。 でも、まだ新しい人たちを融合していってないじゃないですか。お祭りにしてもなんにしても、マンションに住んでいる人はそこの人だけで自治会でやってって、そんな感じはしますね。だからお祭りにも入っていけない。 もっとも、お祭り自体が深川みたいに大きいのがないですから。町内別ですからね。 ★逆に、深川の方はお祭りも結構大きいから、昔の人である程度は地盤が固まってる感がありますけど、城東の方って受入れやすいような気もしますけどねえ。 その可能性はあるかもしれませんね。でも、これは先ほども言いましたけど、本当に恥ずかしい話ですが意識の問題なんです。もっと地元で楽しんでほしい、もっと入り込んでほしい。私自身もまだまだ入り込んでませんけどね。 ★商店街の協力なんかは期待できないものでしょうかねえ。 昔に比べると勢いがなくなっているようですよ。例えば砂町銀座なんかは4月もテレビに出てましたけど、紹介されているのっていつも同じ店だけですよ。経営者も変わってますしね。 でもああいうところがちょっとおもしろいステージなのかなという気はしますね。そういうところをコーディネートする訳じゃないですけども、盛り上げるとおもしろそうですよね。そういう動きを誰かがやらないかなって思いますよ。向島なんかは、そういう会とかできて非常に街づくりをがんばってますよね。あと今は、神楽坂とかね。 ★あー、私も何人かそこのスタッフを知ってるけど、確かに神楽坂は活気ありますね。 やっぱり、ここらでモデルにするなら向島なのかな。アーティストなんかに長屋に住んでもらって、街のおもしろいところ発見したり、商店街と組んでイベントなんかを催したりね。 ★小田部さんが中心にってのはありませんか? そこまでいくのにまだまだ時間かかりますしね。それにそういうのって、まずは地元の商店街が結束しないと駄目なんですよ。 しかも、地元の人で2代目、3代目とかがいるようなとこじゃないとまとまんないですよ。子供の頃一緒だったの仲間なんかが、あいつがやるんだったらうちもちょっとやるよ、みたいなね。 長野県のある地方で酒イベントで成功しているところがあるんですよ。確か、やりはじめたのは銭湯と散髪屋らしいんです。 ★酒屋じゃない? せっかくあそこの酒がうまいのに最近売れなくなってるから、昔のよしみで、ちょっと俺らでなんとかしようってことになったらしいんです。隣近の家とか全部口説いて、いろんな酒を置けるようにして、効き酒イベント会やって、それで成功してるって例も結構あるんですよね。 同じようなことがこの街で実現したらおもしろいですよね。
★ご本人の話をいつも聞いているんですけど、昔はどんなお子さんでしたか? いやあ、どんな子でしたかね、おとなしい子供でしたよ。あんまり自己主張もなくて、すぐ人がこっちがいいっていうと入っていっちゃうし。 子供の頃は、まあそうですね、野球少年でしたね。それと落語が好きでした。田舎ですけど、落語はよく人前でやってましたねえ。 ★確か今もやられてるんですよね。落語に関連のありそうな下町で現在活動されているってのも、あながち偶然でもないかもしれないですね。 そうですねえ。 ただ、他の子供の遊びは不器用でしたね。ベーゴマとか弱かったですし、メンコもだいたい取られてましたしね。勝負ごとは弱かったですね。 ★ところで、砂町、大島限定でもいいんですけど、下町のどういうところが好きですか? 好きなところは沢山ありますよ。そうですね、今、いろんなガイドブックとか、雑誌が出ているじゃないですか。みんな、あれを見ながら歩きますよね。下町ってああいうのを持たないほうがおもしろい地域ですね。 ★それは、山の手ではあてはまりまらないことですか? 山の手がどうなのかはよくわからないですけど、下町はとくにね。迷路とかその掘り出し物とか多いですよね。下手にガイドブックに載っているからここで食べようとか言ってもね、それだけじゃ全然おもしろくないですよね。 それと、食べ物がおいしいですよね、下町は。 ★そうですか? おいしいっていうかね、あんまりおいしくないけどおいしいですよね。(笑)なんていったらいいのかな。 よくわからないようなコッペパンとか売ってたりとかね。なんか、そういうのっていいですよね。 ★昔なつかしい味って意味でしょうかねえ。 それもありますね。なんかこの店は、有名、高級にしたら駄目とかって店あるでしょ。 ★確かにメディアに出て本来の感じと変わっちゃう店ってありますよね。逆に砂町とか大島にこういうふうになって欲しいって部分はありますか? それは、他の地域の人が遊びにくるようなところになって欲しいですね。渋谷みたいな大きな街とは違う意味でね。 今、どこに行くにしてもリピーターになることってないそうですよ。観光地でもお客を周りからバーンと集められるのは1回きりのような気がするんです。何回も続けて遊びにいくのってディズニーランドだけらしいですよ。 この街にはリピーターが多く来る街になってもらいたいですね。 例えば馬喰横山の繊維街って、あそこに行かなきゃ買えないものとか集まってるじゃないですか。 そういうように、ここにしかないものばかり売ってる商店街とか、個性の集約した街ができるといいですよね。そこに隣町からちょっと遊びに来たりとかね。 普段から行き来が多くなるような地域活性って一番いいんじゃないかな。 こっちにはおいしいパン屋や個性的な食べ物屋が並ぶグルメ通りがあって、こっちにはここにしかないファッションロードがあったりとか、そんな何回でも買い物にいけるような街、そういうふうになると楽しいですね。 そういう意味では、今ちょっと西大島あたりなんかはおもしろい食べ物屋が増えてきて、グルメロードっぽくなる要素があるかもって思っているんですけどね。 生まれは違えど、この土地を愛し、この土地の活性化を願う小田部さん。その想いがひしひしと感じられる取材でした。今後も「すなしま」の大いなる発展を期待しつつ辞しました。 |
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※2005年4月収録 |
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