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下町の顔
FACE

第8回
『ミニコミタウン誌・下町タイムス』

<プロフィール>
墨田区立川弥勒寺幼稚園、中和小学校、堅川中、墨田川高校と生粋の下町っ子で育つ。慶應大學入学後父親の死亡で退学し東洋大学に再入学。趣味は料理と旅行。高校生と中学生の二児の父。1951年生まれ
下町タイムス 編集長
高橋 賢さん

墨田区・錦糸町で30年間に渡り発行されている町の情報誌『下町タイムス』。タブロイド版4面カラー印刷の紙面は、職人の手仕事、文化、伝統などの取材記事や、人と人をつなぐ地域のイベント情報で埋まっている。
初代編集長は今泉 清さん。今泉さんの編集方針は一貫して人の生き方を描くことだったそうです。みんなで楽しく生きることが地域の深まりを強めるという信念の元で、人々をつなぐネットワークにも力を注がれて、下町の人々に愛されて幅広い活動をされていましたが2001年8月、不慮の事故で帰らぬ人となられました(享年65)。
現在『下町タイムス』は333号を発行中。
今回は今泉さんの後を引き継がれた編集長の高橋 賢さんをお訪ねしました。


1.モノを言う新聞に
★高橋さんが下町タイムスに関わったきっかけは?
10年位前、今泉さんがやっていらしたときに、イベントがあって手伝いに行ったのがきっかけですね。
タイムス創刊時は会社の形を成していて社員が何人もいたのですが、その後だんだんお金が無くなってきて社員が辞めたり変わってきたりと、ここ7、8年は今泉さんと奥さんと二人だけでしたね。
ボランティアの人は何人かいましたけれど。僕も別に会社を持っていてそこで仕事をしています。タイムスはお手伝いをしているということですね。

★現在の発行人は坂井さんですね?
坂井さんは今泉さんの古いお友達です。今泉さんが亡くなられた後、タイムスが休刊になりました。去年の3月頃から廃刊になるのは忍びないから何とかしようよ、という話になって、「賢さんやらない?」「やるんならよろうよ」って。で、5月頃から準備して8月に準備号を作って、9月から戻したという感じですね。でも一度読者が離れましたんで、全くゼロからの出発ということだと思っています。

東京は田舎人の集まりですから
★今泉さんはたくさんの人に愛されたという噂を聞きます?
そうですね。今泉さんは懐が深いというか豪快というか……。要するにお金の採算を全く考えない人でもありますね(笑)。親分肌で。気に入ったことがあればとことん関わっちゃう。タイムスは『昔の偉人に学ぼう』ということで長谷川平蔵や勝海舟などを取り上げて功績をたたえたり見直すことをやっていました。特に長谷川平蔵には凝ってまして本も出しましたね。
他方で庶民文化をいかに残そうかということにも全力を注いでいました。マスコミが普通には光を当てない人にも光を当てて残そうとしてきましたね。町おこしのイベントなどもたくさんして。そういう今泉さんを皆が支えていました。

★引き継がれた高橋さんや坂井さんですが、何かこう身近なところで感じられることや、ビジョンなど、どうでしようか?
下町タイムスはミニコミというポジショニングなんですが、今後は志を持った全国紙のようなものになりたいと思いますね。ミニコミタウン誌は町の紹介をするとか、町の人物をクローズアップするという町に付いているんですね。それはいいのですが、もっと、意見を出していく、『物を言う新聞』というのですかね。そういうものになれれば、と思いますね。

★下町タイムスから発生したものが地域の流れになっていくとかですか?
まあ将来的にはそういうことになればと。どのような形がいいかわからないですが……例えば、こちらのスタンスをきちんと持ってイベントを組む。それに参加して盛り上がる……町おこしという一つの大きなテーマになると思うのですけどね。ここ2、3年はあまりやっていなかったので、そういうことをまた少しづつやっていこうと思っています。

★下町タイムスは『新聞』なのか『タウン誌』なのか、どのような位置づけでしょうか?
ジャンルはタウン誌ですね。

★下町とは人によって区切り線があいまいですが、タイムスさんの場合は本拠地は錦糸町だと思うのですが、行動範囲はどの辺りまででしょうか?
下町6区にスポットを当てていますが、もう少し広くとらえてもいいかなと思っています。

★例えば山の手の方でも吉祥寺、大田区辺りは下町という感じはしますがその辺まで広げるということは?
まあネタがあれば行きますけどね。タイムスのスタッフが少人数ですので、実際のところは動きづらいですけど。今泉さんの頃から、都市と農村を結ぶというコンセプトがありましたね。東京はもともと田舎人の集まりですから、今は、そのコンセプトを外していますが、将来的にはそこまで復活したいと思っています。

★タウン誌と対価という問題はどうでしょうか?
お金にはまずなりませんね(笑)。

★広告は扱ったりしないんですか?
ほとんどないですね。今泉さんのときは個人的なつながりで東京電力さんがありましたが、亡くなってからはないですね。今は地元の平安閣さんだけですね。また広告とるような営業もこれまではしていなかったし。全部反省しまして、レスポンスのあるような新聞記事内容も含めて、それをやっていこうと思ってます。3月、4月、5月とこの辺りから変えていく動きになっていますから、後、半年もするとぜんぜん違った紙面になっていると思います。どうぞご期待ください。

★発行形態も変えるのですか?
そうですね。定期購読を年間6,500円にしてもらいまして、まあこれは従来どうり郵送で宅配という形ですが、その他にフリーペーパー化構想がありますね。行政機関に置いてもらう、書店に置いてもらう、町のスタンドなんかにもね。ビデオマガジンという形も考えています。例えばお祭りをずーと撮って、撮った記事を新聞に出して、詳しくはビデオマガジンで、と。下町の文化を映像で残す作業もしたいと思っています。

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