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下町の顔
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★そのほかに何か変わってきたことはありますか?
結婚式に関していえば、大きく格式ばってやらない傾向がありますね。挙式は身内で海外で簡単に済ませて、帰ってきてお友達など集めて披露宴を。しかし、二人だけが社会で孤立して暮らしていくわけではないですから、お付き合いの濃い大勢の方に結婚したことをお知らせして、お祝いをしていただいて認めてもらうのは、大切なことではないかと思いますね。
考えはいろいろあるでしょうけれども、慶びも悲しみも人と分かち合っていくことが大切ではないかと思います。
あと変化と言えば、若い人がこの業界に好んで入ってくることが多くなりましたね。結婚式場のほうは昔から応募はありましたが、葬儀のほうにもね。新卒を募集すると300人くらいみえます。作文を書いてもらいますけど、自分の体験を通して葬儀部門に就職したいと感じている人が多いですね。

★冠婚葬祭そのものは今後このように変わっていくのではないかという、予感めいたものはありますか?
それが分かれば苦労はないですね(笑)。こちらが仕掛けてそのとおりに行けばいいですよ。どの業界でもそうでしょうが消費者ニーズ、トレンドをつかむのは難しいです。
カルチャーパビリオン
平安祭典 深川

★仕掛けることはできないですか?
仕掛けている人もいますよ。かつてはゴンドラとかドライアイスとか。最近の傾向ではレストランウエディング、ハウスウエディングというのがありますね。一つの家を借り切ってする。うちも世田谷に洋風の一軒家ウエディングハウスを作りました。ホームパーティの延長ということですね。

★時代に合わせるということでは葬祭の方は?
名称が変ってきましたね。葬祭場を作る場合はお隣の方になかなかご理解をいただけないです。カルチャーパビリオンの名称で葬儀場を作っています。葬儀は文化だということでカルチャーと名付けました。パビリオンは館ですね。

★葬儀を自宅でしなくなったのは地域力の問題ですか?
地域力が落ちてきたわけではないと思いますね。下町の葬儀ですが、町会の方も大勢で手伝いにみえますよ。自宅ですとタンスや家具を動かして祭壇を作るのは大変です。また寒いとき暑いときは斎場は便利ですからね。

★昔は家が中心だったから冠婚葬祭は家から出してやりたいという思いがあったと思うんです。そのあたりはどうなんでしょうか?
うちは葛西にも斎場があるんですが、大きな家も多く、自宅でやれそうなんですが、でも斎場を利用する方が多いですね。家を大事にしているかしていないかではなくて、ただ便宜上便利だということで斎場をご利用されているようです。

★お父様が御社を創設なされたそうですが、この事業を始めるよと言ったきっかけは何かあったのですか?
父親は半農半漁、その前は金魚の養殖をしていました。昭和24年にキティ台風が来て、荒川があふれたんです。外かく堤防を作らなければいけないというので区会議員に立候補して12年経ったところでした。父の友人が互助会システムの話しを持ってきて、これからの時代にどうだろうって言うんです。私も相違されていて、できてから5年目に入社です。

★こ自身は理工ですよね。入社された時にカルチャーショックみたいなものは?
畑違いと言われたんですけど、特になかったですね。入社前にも忙しいときはトラックを運転して公民館にお料理を運んでました。もともと電機設備の設計とかが仕事でしたから、深川平安閣を作るときは設計図を手伝いました。
現場も葬儀の飾りから納棺、司会、幕の張り方から一通り経験しました。この仕事を始めるときは何も分からなかったものですから、淀野商店というところにお手伝いを頼みましたね。先代のお父さんに良く教えていただきました。今でも一緒にやっていただいているんですけど。
式に呼ばれてないのに来るんです

★不躾な質問ですがご遺体を見たときなど怖くはなかったですか?
最初はね誰でもそれはね。驚いたようなこともありますよ。轢死体の納棺を確認するときだったんですけど、服に血が着きましてね。
ただ悲しい世相というか事故関係も多いような気がしますね。路上生活の人なんかが今の寒い時期はたいへんですね。

★外国の方の居住の割合も増えてきましたが、日本人と違いますか?
葬祭は韓国の場合は日本人と同じようですね。特に困ったことと言えば、戒名をどう読んだらいいかなって事くらい。結婚式はなぜか徹底的に違いますね。テーブルはキムチでいっぱい!(笑)。でも北朝鮮の方となるとまた違う。伝統的な固い式になりますね。中国の方の結婚式は呼んでない人まで来るので、椅子のご用意ができずにあわてる時があります。

★では小泉さん自身のお話を。生まれは砂町、お父さんが元江東区会議員。地域密着ですが下町をどのようにとらえていらっしゃいますか?
親しみやすく人情の厚いところだと思いますね。何かことがあると隣とも話しやすいです。通じすぎてしまうという欠点があるくらい(笑)。

★小さい頃はどんなお子さんで?
私は電車の運転手さんになりたかったですね。電車にはあこがれていたんです。機械いじりが好きでしたからラジオを組み立てたりステレオを組み立てたりも好きでしたね。兄弟がいなかったから、友達と遊ぶことが多かったですよ。

3.座右の銘
★最後に座右の銘を教えてください?
『現状維持は退歩である』ですかね。上を向いてはじめて現状維持ですね。いつもがんばらなければと思っています。

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理工系から畑違いの接客業に入ってきた話も、ご遺体の確認でハプニングがあった話も、小さな頃電車が好きだった話も、同一線上で淡々と語られる小泉さんの柔らかい目と懐の深さ。人生の節目節目に掛け値なしで立ち会ってこられたことを実感しました。

※2003年1月収録
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